映画 超高速!参勤交代リターンズ
年末に放送されていた映画「超高速!参勤交代リターンズ」。1作目を見直すことになってしまったものの、2作目の「リターンズ」の方も鑑賞しました。実際には2作目を先に見ているんですが(^_^;)
あらすじ的には・・・
1作目で「超高速参勤交代」を成し遂げた藩主・内藤政醇をはじめとした湯長谷藩一行。帰路の「交代」こそ費用を準備できておらず走って帰ることになったものの、政醇の側室としてお咲をめとってその祝言を挙げるなど「参勤」とは異なり穏やかな旅路となった。
が・・・
湯長谷藩で突如一揆が発生。
幕府にこれを咎められお家の取り潰しの憂き目にあわぬよう、幕府の見聞役よりも早く湯長谷藩に戻り一揆を鎮めようと参勤時の倍の速さの2日で帰国した一行だったが、既に城は柳生一味に乗っ取られていた。
実は徳川吉宗の東照宮参拝による恩赦で復権した松平信祝が尾張徳川家まで巻き込んで将軍の座を継がせるべく吉宗を狙った上、内藤政醇にも復讐しようという策略だったのだが・・・
という感じ。
時系列的には1作目のエンディング直後からほぼそのまま繋がっているので、内容を忘れていなければ直ぐに入り込めるかと思いますが、ここからはネタバレ有の感想を少々。
率直な感想として、1作目を越えられなかった2作目の典型という印象でした。
1作目は何よりも無茶振り参勤交代をコミカルに描いた上にシビアな期限が切られていたことで切迫感もあり、それにやや真面目なネタが混じって飽きることなく楽しめたという印象なんですよね。更に弱者が権力に一泡吹かせるような判官びいき的な面もありましたし。
それが今回は期限こそ「参勤」のほぼ倍の速度での「交代」が求められたもののその描写はあっという間に終わってしまい、乗っ取られた城を取り戻すお話が大半を占めてしまったことで、参勤交代というよりは攻城戦のようになってしまったなぁと。クライマックスの松平信祝との直接対決も中途半端にシリアスというか真面目な感じになってしまっていましたし、湯長谷藩一行が武芸に秀でているとは言えちょっと有り得ないなぁと興ざめしてしまった部分もありますしね。
それでも、1作目を思い出させるようなネタが多かったので面白くなかった訳ではないんですよね。
行列の人数増し作戦とか、死体に扮して関所を通過するような場面のやり取りやメイクは普通に笑えましたし、未だに治っていない政醇の閉所恐怖症や家老の相馬は相変わらずアイデアを無茶出しさせられたり井戸に落ちたり・・・
そうかと思えば弓の名手の鈴木が高所恐怖症を克服して徹甲矢のようなものを放って活躍したり（1作目のラストでも矢で鐘をついていましたし）、1作目でもキーになった大根が一揆でも1本だけ残ったりとか・・・痒いところに手が届くような面白さもあったりしましたしね。
そうそう、冒頭で何度か登場した江戸城。明らかに姫路城の天守と大手門を模していたかと思いますが、何か意図があったんでしょうか？ そもそも吉宗の時代には江戸城の天守は既になかったような・・・？
いずれにしても2作目もハッピーエンドですし、決してつまらない訳ではないんですが、「交代」パートの描写を期待していただけにやや期待値とは違ってしまったのも事実。「金なし人なし時間なし」に「今度は帰る城もなし」的な宣伝が前に出ていれば違ったかも知れませんけどね。
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