映画 デビル（1997年）
BSで放送されていた1997年のアメリカ映画「デビル」。日本語吹き替えになってしまいましたが、録画してPSVitaにおでかけ転送して鑑賞しました。
もう20年以上前の映画になりますが、当時ハリソン・フォードとブラッド・ピットの競演が話題になっていたような気がします。
あらすじ的には・・・
ベルファストに住んでいたフランキーは、8歳のとき目の前でIRAシンパの父親をイギリス人に殺されたことをきっかけにIRAの活動家となった。
フランキーは指名手配されるほどの立場となったが、スティンガーミサイルを手に入れるために身分を偽り渡米。ニューヨークでアイルランド系の警官トム・オミーラの家で下宿を開始。フランキーはオミーラ家に温かく迎え入れられたが・・・
スティンガーミサイルの購入時に金の支払いで揉めたことにより、フランキーが持つ資金が武器商人に狙われることとなり、オミーラ家が強盗に襲われてしまう・・・
と言う感じ。
古い映画ですが、ここからはネタバレアリの感想をページをかえて少々。
民族紛争が根底にあるのでどうしても理解が薄っぺらくなってしまうんですが、全体的に重く「人が人を撃つ＝殺すことの重さ」とでもいうようなテーマを考えさせられる映画だったなと。
原題も「The Devil's Own」で「悪魔そのもの」＝「人ではない」とでも捉えられますしね。
・フランキーは8歳の頃に目の前で父親を殺されている
・その後は指名手配される程多くの人を殺してきており、銃を持つことは人を撃つ事と認識している
・トムは人を撃ったことが無い。警官になって4度威嚇射撃をしたのみ
・トムの同僚（名前失念）は銃を捨てたコソ泥を背後から売って射殺してしまう
・そのトムの同僚はあっけなくフランキーに射殺されてしまう
・イギリス政府はフランキーを逮捕ではなく殺そうとし、トムは逮捕することで守ろうとする
・トムは結果的にフランキーを射殺してしまうが、生き残る
因果応報的な部分もありますが、トムはコンドームを万引きした青年を逃がすなどの判断も行っていて、同僚を守るために嘘をついたことで警察官を辞職する判断をするなど性善説的な人間の代表のような立場なのに対し、フランキーは理不尽に父親を殺されてフォールダウンした悪魔の立場。他の悪魔たちとも対等以上にやりあってはいるものの、オミーラ家の温かさに心地よさを感じる人間の部分も持っている・・・この2人の関係性の妙な矛盾と言うかジレンマが肝なんでしょうね。
仮にオミーラ家に入った強盗が理不尽にトムの家族の命を奪っていたら・・・ とか考えてしまう部分もありますが・・・
正直、見終わってすっきりする映画ではないので、鑑賞するタイミングなどは良く考えた方が良いかも知れません。
あ、でも中盤までかなりの場面で流れていた如何にもアイリッシュというバグパイプのBGMは良い感じでしたね。
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